100のお題のプロローグ・・・side H・・・
100のお題のなかで描かれるヒカルの初期設定です
こちらを読んでから100題へ行かれることをお勧めします
あの日の言葉を胸に
第1回北斗杯から3ヶ月が過ぎた。
季節は夏真っ盛り。
学生は夏休みだけど、サラリーマンはスーツ着て仕事してる。
ま、オレは学生じゃねーし、サラリーマンでもねーけど。
オレの名前は進藤ヒカル。年は15歳。この年で意外かもしんねーけど、もう職業にもついてる。
日本棋院所属の棋士なんだ。すげえ?
藤原佐為っていう平安時代の囲碁好き幽霊の影響で碁を始めた。
塔矢アキラっていう現代の囲碁バカの影響でプロになった。
そんでもって、これからも打ち続けていく予定。
消えちまった佐為のためとか、自分のためとか、そういうんじゃなくて。
……遠い過去と遠い未来をつなげるため…。
くうぅぅぅーっ。
オレってば、なんていいセリフ言ってんだろ。
これは、北斗杯で高永夏っていう韓国の棋士と打ったあとに、オレの口をついて出た言葉だ。
あの時は、負けちまった悔しさで頭の中がいっぱいいっぱいだったから、クサいとかカッコつけ過ぎとか、そういうことに気がまわらなかったんだよな。
でも、それだけに、あの言葉はオレのホントの気持ちだったんだ。
そのことが、すっげーうれしい。
遠い過去と遠い未来をつなげるためにっていうのは、碁の世界の話だけじゃなくて、どんなことにだって言えることだと思うけど。
真剣に一生を懸けるつもりでいるこの気持ちが、あの言葉を言わせたんだと思うとさ。
自分が真の碁打ちなんだっていう証明みたいで。
自分は碁打ちでいたいんだっていう再確認みたいで。
今、思い出しても、すっげーうれしい。
なあ佐為。見ててくれよな。
オレ、いっぱい打つから。
ずっと、ずぅーっと打ち続けるから。
そりゃあ、オレは女だから、結婚してこども産んだりとかしたら、ちょっとのあいだは休むかもしんねーけど。
でも、そんなのずっと先の話だし、オレ学校行ってねーから、彼氏とかにめぐりあう可能性も全然ねーし……別にスネてなんかいねーよ。
だって、なんの問題もねーじゃん?
食べて寝て打って。そうやって毎日が過ぎてって、気がついたらしわしわのおばあちゃんになってたなんて、碁打ちの鑑みたいで、なんかいいじゃん。
ま、とにかく、今は打ちたいんだ。
今日も塔矢んちの碁会所で約束してるし。
あいつ、遅れるとうるせーからな。
検討しててもうるせーのなんの。
最近、妙に背がのびやがって、オレのこと見おろすしさぁ。
かわいいとか言ってなついてくるしさぁ。
ヘンに鼻にかかった気色わりー声で話しかけてきたりするしさぁ。
バカにしてんのかってーの。
この暑苦しい時期に、うぜぇったらねーよ。
それに、あいつと全然話があわねーの。
一時期、ムリしてあわせてくれようとしてたみたいだけど、今じゃ説教ばっか。
マジうぜぇって感じ?
やべっ。遅れちまう。
オレ、もう行くわ。
じゃあな。
<コメント>
ヒカルくんったら、誰と話してたんでしょう。
途中で佐為にも話しかけてたみたいですが(笑)。
原作が終わって3ヶ月が過ぎた頃を舞台に、この物語は始まります。
うちのヒカルくんは、こんな感じの女の子です。かわいがってあげてください。
