ひさびさに、がびちゃん毒吐きますことよ。 



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 いろんなサイトさんで見かける「えっちな同人誌の規制」に関するバナー。

 がびは、あれが大っ嫌いである。

 「2007年夏コミより性表現の自主規制基準が厳しくなっています」
 たった一行の文に、突っ込みどころが満載だ。
 配布元の詳細な説明文を読むと、ますます鼻白む。
 だいぶ前に意見を出したが、返事がないまま閉鎖してしまったようなので、この際、自分ちで毒吐いてみようと思った次第である。



 まず、「2007年夏コミ」の部分。
 東京都青少年の健全な育成に関する条例について述べるならば、「いわゆるえっちな本」がらみの条項は、なにひとつ変わっていない。
 世間を騒がすヲタク事件の判決が下りたために、主催者がアリバイ的に発表したのが、この時期だっただけだ。

 ちなみに、そのあとに出てくる「同人活動や成人向け同人誌に責任を持とう〜腐女子も」も、「腐女子も」の部分。
 女性向けのえっちな本や、小説に対しては、条例違反を問わないというような噂があったと聞くが、そんな事実はどこにもない。
 東京都の条例で恐縮だが、制定されてから今日に至るまで、18歳未満の者への配布や販売は、例外なく禁止されている。

 うるさく言われない、という事実はあったようだ。
 だからといって、なあなあに済ませていたのならば、その無責任さには呆れるしかない。



 次に「自主規制」と「基準」。
 わいせつと芸術の間にラインを引くのは誰か。
 もちろん、コモンセンスに委ねられる部分が大きいのだが、まずは、作り手が「マイライン」を持っている必要がある。
 「これ、わいせつかなあ。びくびく」なんて思っているようでは、自覚がたりない。
 「わかんないから、具体的に線引きしてください」なんて言うような阿呆は、今すぐ、作る側から足を洗ったほうがいい。
 辛辣な物言いだが、作り手が己の自由を売りに出す気でいるならば、阿呆で十分だ。
 自分の内面から湧き上がる情熱を、そのまま表現したいと望む気持ちがあってこそ、素人が作品を世に問う意味があるというものじゃないのか。

 もちろん、わいせつ物を所持・譲渡することが、法律で禁止されている以上、当然、従う必要がある。
 これは、コモンセンスのレベルではなく、義務だ。

 もしかしたら、拙作「帯坂異聞」は、わいせつだと捉える向きがあるかもしれない。
 だが、がびは、「成人向けの表現を含む文芸作品だ」と主張する。
 「生々しい表現があるが、わいせつではないと判断した。指摘を怖れて婉曲な言葉に修正したら、登場人物たちの心情を正しく伝えることはできない……つまり、世に発表する価値がない」と、両手を腰に当てて宣言する。
 修正を求められたら、出るところに出て争いたいが、いかんせん、二次創作だ。この点に負い目があることは否めない。

 つまり、R18同人誌の発表は、「自分は法の範囲内で表現している。文句があるならかかってきなさい」と、自信をもって主張できる人間だけに許された権利だと言えよう。

 「そんなこと言えないよ」「わいせつとR18の違いがわかんないもん」と、少しでも思った同志は、次の新刊を出すのを思いとどまるべきだと、がびは断言する。

 表現の自由の内容を縛るのは、法律だけである。
 自主規制も基準も、存在しない。



 そして「厳しくなっています」。
 厳しくなっているのは、前述の自主規制基準ではなく、コミケ準備会による注意を促す文章の論調だ。
 オブジェクトが違う。





 そもそも、このバナーを貼っていらっしゃるサイトさんの多くは、「即売会で、若く見えるひとが来たら、年齢確認しますよ」という責任を、「ほら、このバナーに書いてあるでしょ」と、なすりつけて、免罪符のように扱っていらっしゃるフシがある。

 どうやら、「性表現の自主規制」とやらは、「18歳未満の者に売ることを規制する」という意味として、一人歩きしているようだ。



 配布元の閉鎖以来、「2007年夏コミより性表現の自主規制基準が厳しくなっています」の一文は、「今までは、わりとルーズに済ませてきたけれど、これからは、18歳未満の人間が、R18本を見たり触ったりしないように、発行者が気をつけてね」という意味にすり替わっている。

 我々表現する者の権利(二次書きが何を言うか)を侵害するかのように煽る、間違った言葉にまみれたバナーを、意味を履き違えて、自分ちの庭に載せているという現状には、辟易するとしか言いようがない。
 右へ倣え、で、気軽に貼っているとしたら、ぜひ再考を願いたい。

 バナーの配布元が、年若な入門者への啓蒙として、アピールしようとしたのならば、その崇高な理念には敬意を払うべきかもしれない。
 だが、がびは、悪戯に当事者たちを煽り、オピニオンリーダーの如く振る舞おうとした粗忽者に過ぎない、という印象を持った。



 このバナーを貼っているサイトマスター諸氏よ。
 ネタ元さんが撤収したことは御存知だろうか。
 
 己の表現を正しく評価されうる機会をみすみす逃しかねないバナーを貼り続けることに対して、がびは同志として、若輩者ながら檄を飛ばそう。

 

 ああ、すっきりした。
 言いたいだけ言ったが、当然、反論はあろう。
 「あたしは、そうは思わなくてよ」とおっしゃる方は、いつでもカモン。
 とことん話を聞きますぜ。

 

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