第4話  探求! 彩虹小猴子






 伝説の秘宝とは、いったいどんなものなのでしょう。

 ヒカルとアキラが固唾を飲んで見守るなか、佐為は口をひらきました。

「イロモノ傳に書かれている伝説の秘宝。それは…………七色のさるぼぼです」

「さるぼぼ……ですか?」

 アキラは、ぽかんと口をあけてつぶやきました。

 無理もありません。

 昆虫の世界の秘宝が、まさかさるぼぼだなんて、誰が予想できたことでしょう。

「なあなあ、さるぼぼってなに?」

 どうやら、ヒカルは、さるぼぼを知らないようです。

「東の海を渡ったところにある小さな国の生き物だよ。大きさは、ボクたちとおなじくらいかな。人間のてのひらに乗るくらいだよ。全身が赤くて、目や鼻や口がないんだ」

「猿の赤ん坊に似ているとも言われています。紺色のちゃんちゃんこを着ていることも多いとか」

 やや信憑性に欠ける説明ではありますが、アキラと佐為は、さるぼぼについて、ヒカルに説明してあげました。

「ふーん。ちっちゃくて、赤くて、顔のパーツがついてない猿か」

 とりあえず、ヒカルも、さるぼぼのなんたるかは理解したようです。

 とは言うものの、「七色のさるぼぼ」とは、いったいどういうことでしょう。

「さるぼぼは、赤いものではないのですか? 七色のさるぼぼなんて、本当に存在するのでしょうか」

 アキラが、もっともな質問をしました。

「だからこそ、伝説の秘宝と言われているのですよ。イロモノ傳には、このように書かれています」

 佐為は、歌うように、その一節を語り出しました。

    赤・橙・黄色・黄緑・緑・青・紫

    その身体七色に染まりしさるぼぼこそ

    昆虫界の宝なれ

「未曾有の力を秘めた七色のさるぼぼは、どんな問題も一瞬で解決してくれるといいます。あなたたちを人間の姿に戻すことも、造作ないことでしょう」

「七色のさるぼぼか……」

「七色ねえ……」

 アキラとヒカルは、頭のなかで、その姿を想像してみました。









「……なんか、ヘンなの」

 ヒカルは、自分の想像に、げんなりして言いました。

「まあ……とにかく探しに行ってみよう」

 アキラも、乗り気がしなくなりましたが、なんとか自分を奮い立たせて言いました。

「東の海を渡った小さな国に行けばいいのですね?」

 アキラが佐為に確認します。

「いいえ。イロモノ傳には、場所は書かれていないのです」

 佐為は、首を横に振りました。

「「え?」」

「確かに、さるぼぼは、東の小国に住んでいるそうですが、七色のさるぼぼのことについては、誰も知らないのです。北の山地に住んでいるのか、それとも南の平原に住んでいるのか……」

「そんなあ。手がかりはないのかよ」

 ヒカルは不満気に口をとがらせますが、佐為は、申し訳なさそうにうつむくばかりです。

「とにかく、東の小国へ行って、さるぼぼたちに会ってみよう。彼らが、何か知っているかもしれない」

 アキラの提案で、ふたりは、海を渡るために、大陸を東へ移動することに決めました。

「それじゃあ、行ってくるぜ」

「行ってきます」

 ふたりは、背中の翅をひるがえして、空高く飛んでいきます。

「道中、気をつけてくださいね」

 佐為は、ぱたぱたと扇子を振って見送りました。



 かくして、ヒカルとアキラの「さるぼぼクエスト」は始まったのでした。





 ヒカルとアキラが旅に出ました。

 旅先で、いろんなイロモノたちに出会うことでしょう。

 ……ところで、こんなページ見てる人、いるのかな(自嘲)。





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