親孝行速報
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5月1日午後2時20分。
我が両親は、新東京国際空港の到着ロビーに姿を現した。
特大のカートに大量の荷物を積んで、「がびーっ!」と、叫びながら突進してきた。
そして、北方なまりまるだしの中国語で、再会の喜びを表現しまくりやがった。
……現在の微妙な日中関係に、少しも配慮することなく。
がび「それにしても、すげー荷物だな。重量超過で別料金取られなかった?」
父「ビジネスクラスだからな。なーんも問題なかった」
母「いいわねえ、アレ。シートは広いし、飛行機に乗る時は先に案内してもらえるし、着いてからも荷物が早く出てくるし」
ダメだよ、にーちゃん。
ビジネスクラスなんて、そんな贅沢おぼえさせたら癖になるじゃんか。
そう。
うちの兄は、自腹を斬ってエコノミーの航空券を買い、さらにそれを、自分が貯めたマイレージでもってアップグレードさせたのだ。
ちなみに、中国人の文化では、親に小遣いを渡すのはよくないこととされている。
この旅行に際して、いくらかの小遣いを持たせてやるだけに留めておいたほうが、兄のフトコロは痛まなかったはずである。
それなのに、悪習…いや、古き良き文化を踏襲する兄は、小遣いを渡すのではなく、往復の航空券をプレゼントし、香港国際空港と自宅のあいだの送迎をやってのけやがったのだ。
にーちゃんと比べられてなるものか。
ささやかな虚栄心が、管理人に、3人分の成田エクスプレスのグリーン券を買わせてしまった。
さっき空港に来るときは、各駅停車に乗ってきたのに。
終点に着き、タクシーでウィークリーマンションへと向かった。
すでに午前中に鍵を受け取り、管理人の荷物とクルマを運び込み、お茶の用意もしてある。
長旅の疲れをものともせずに、すぐに観光をしたがるであろうと踏んでのことだ。
だが、夕方から、雨が降ってしまった。
今日のうちに東京タワーを見せておけば、明日以降のスケジュールがラクになると思っていたのに、これは大誤算。
しかたがないので、管理人の自宅へ、愛猫がびきゃと夫に会いに行くことにした。
掃除しといてよかったあ。
さあ行くか、と、管理人がクルマのキーを持ったところで、ふたりは、いきなり荷解きを始めやがった。
そんなの、帰ってからにしろよ。
母「あんたらに、お土産があるのよ〜」
ダンボール箱のガムテープ(ダンボールごと持ってくるのが日本人とは違うところ)をべりべりと破り、中身を投げてよこす。
……枕?
なんか、くさいぞ。
両親の説明によれば、アロマテラピーと漢方のコラボレーションで、安眠と疲労回復の効果があるそうだ。
でも、くさい。
雨上がりの森林にラベンダーが咲いていて、そこでお香を焚きながらネギを刻んでるみたいな、そんな感じ。
管理人の分と夫の分、ふたつの枕。
これだけで、相当かさばる。
しかも使わない可能性は、限りなく100%に近い。
お土産攻撃は、さらに続く。
老婆餅(月餅と違って季節に関係ない、甘い中華菓子)の箱が6個。
かぼちゃのタネに甘辛いタレをかけたおつまみ(けっこうウマイ)が、1.5リットルサイズのペットボトルにギッシリ。
乾燥させたタマゴ麺と粉末スープのセット3袋。計15食。香港名物・海老ワンタンメンの素だが、ワンタンは自分で用意しろということらしい。
香港ドトールオリジナルの西瓜ジュース6本。←とても好きv
南アフリカ産の甘い酒と、タイ産のはちみつ。←なぜ?
ここまでが食料品。
夏のパジャマ4着(安かったらしい)。
テーブルセンターと花瓶敷きとティッシュカバー(シルクらしい)。
ハンカチ3枚(スワトウ刺繍らしい)。
ここまでが布製品。
頼んでおいた基礎化粧品。
頼みもしない百合油(ハッカ油)の小瓶20本。
スワロフスキーのビーズ1グロス×5色。
ここまでが妹経由。
そして。
管理人の誕生日のプレゼントは、瑪瑙の碁石。
黒はブラックオニキス。
白は白メノウ。
標準的な日本の碁石よりも、直径が2ミリくらい小さくできているので、使い勝手はよくないかもしれないが。
これは嬉しいぞ。
特別な時だけ使おう…ってゆーか、使わないにせよ、秘蔵のコレクションとしても、かなりイケてる。
……専用の碁笥も買っちゃおうかな。←夫には極秘
とにかく、大荷物のほとんどが、お土産だった。
インターナショナルゆうパック(?)で、送ればいいものを。
父「送ったらカネがかかるだろう。タダで持ってこられるんだから、持てるだけ持ってこなきゃ損だ」
母「いつもならEMSの料金を気にしちゃうけど、今回はタダだものね〜♪」
帰りには、おなじだけの土産を持たせなければならないらしい。
管理人の自宅に到着。
玄関に飾ってある「ヒカ碁カレンダー」は、まだ3月&4月のままだ。しまった。
母「あら、これは桜ね。この男の子、着物姿でステキじゃないvvv」
……加賀に萌えを感じたか、ばばあ。
あわててめくると、5月&6月の主役は……きゃあ、佐為ちゃまv
だが、母は、あんまりお気に召さなかったらしい。
平安時代って、外国人には馴染みがないもんなあ。
ちぇ。
そして、愛猫がびきゃとご対面。
母「まああぁぁぁv 顔だけ見たら、猫ちゃんそのものねvvv」
……首から下も、猫です。
父は、買ってきた首輪(アメリカのなんとかという有名ペットショップのオリジナルらしい)を、がびきゃにつけたがっていたが、威嚇されて近づけない。
管理人がとっつかまえて、ひきずってきたが、あまりの大きさに絶句する父。
猫用の首輪がはまるサイズの猫じゃないのだ。
だが、管理人との会話でそれを知っていた父は、ちゃんと「大型猫(特殊猫って書いてあったぞ)用」を買っていた。
せっかくだからと試してみたところ、ベルトの穴は、なんとか最後の砦でおさまってくれた。
やれ、めでたや。
父の顔が立った。
鈴の音が今までと違うので、管理人は違和感を感じたが、がびきゃ本人は気にしていないようす。
愛玩したがるじじばばを尻目に、さっさと自室に引っ込み、所定の位置で寝てしまった。
その後、待機していた管理人の夫と一緒に、近くの寿司屋で食事をした。
香港の和食屋で出される寿司が「まがい物」であることを証明するのが目的だ。
その目的を果たし、エエカッコしいの夫が、食事代を払ってくれたので、管理人は大満足♪
明日(5月2日)は、管理人の周囲の人々に挨拶まわり。
その後、東京タワーへ夜景を見にいく予定である。
香港島の山頂へ行ったことのない父親は、きっと喜んでくれるだろう。
母親は、景色よりもおみやげやさんに興味を示すかもしれない。
買い物の時間を考慮して、少し早めに行動したほうがよさそうだ。
勤行の日々はまだ始まったばかりである。
2005年5月1日 23:40 がびきゃ拝
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