出張の実態 大公開!(後編)
お戻りの際は窓を閉じてください
1月20日土曜日、午前10時30分。
チェックアウトのごたごたとともに、フロントの兄さんと姉さんに宅配便を依頼。
パソコンと身のまわりの物だけ残して、全部、家へ先発させた。
……到着するのは、がびより後だけどさ。
さあ、いつも仕事に行く時よりも身軽になったところで。
宿まで迎えに来てくれたM女史のクルマで観光に出発!
まずは福岡タワー。
エレベーターで展望台にあがると、目の前に海が広がっていた。
これは、もしかして日本海?
いや、何度か見たことはあるんだけど、なんとなく特別な感じがするじゃん、日本海って。
ドラマチックっていうか、情感的っていうか。
荒々しい白波が砕ける防波堤。
今にも泣き出しそうな空の下。
80年代風なケバい化粧をした女性がトレンチコートを着て、アンニュイな表情で歩くのよ。
うーん、さすが演歌のふるさとよね。←知識が偏ってます
でも、見えたのは、人工の砂浜だった。
セレブな感じのリゾート施設で、結婚式をやっていた。
遠目に見たところ、ライスシャワー直前っぽかったから、花嫁さんが出てくるの(花婿さんも一緒だよな)を待ってたけど、なかなか出てこなかった。
けっ。←酷
その展望台で大発見。
福岡から韓国までは、約550km。
東京まで約880kmだから、韓国のほうが近い。
それなら、羽田から福岡に来て、福岡から韓国に行って、韓国から成田に飛んでもよかったんじゃないかと。
あるいは、福岡から香港に里帰りして、その足で成田に戻るっていう手もあるな。
がびさん(猫)が、ひとりで留守番してるので、あまり長い間は家をあけられないが、今後、ちょっと検討してみようと思う。
M女史の説明で、福岡の歴史や環境がよくわかった。
おなじことを、東京でがびに求められても、まったく無理。
西安や香港について紹介しろと言われても以下同文。
郷土愛のかけらもないとは、まさにこのことだ。
ガイドさんのように詳しい話を紹介してもらい、次は太宰府へ。
駐車場にクルマを降りて、えっちらおっちら仲見世へ。
すでにお昼を過ぎ、がびの腹の虫は大騒ぎだ。
天神さまにお参りするよりも、まずは腹ごしらえ。
和定食を食いながら、腐れた同人トークに突入。
題して、同人作家さんたちの活躍今昔。
M女史からのレクチャーで、素人がびも、ちびっと同人に詳しくなったぞ。
土曜日だけあって、そこいらじゅう大賑わいだった。
M女史によると、お正月は、もっとすごいとのこと。
やっぱ学問の神様だけあるよなあ。
がびのみっつのねがいごと。←拙本のタイトルではありません
1.今年巣立っていく顧客たちが、全員、国家試験に合格しますように。
……本人たちの努力よりも、神頼みのほうが、よっぽど効果がありそうだ。
2.職場の同業者(大学院後期博士課程)が、満期退学せずに博士号を取れますように。
……このひとが博士号を取ってくれないと、3年後、職場の人事に問題が生じるので、ここはぜひとも菅原道真先生にお願いしたいところだ。
3.がびも、ちーーーーっとでいいから、おりこうになれますように。
……ほんとにほんとに、ほんのちょびっとでもいいので、ひとつよろしく。
そして、お守り購入。
前述の同業者に、学業成就(ってゆーのか?)のお守り。
がびんち夫婦に、通勤時の厄払いのお守り。
そのあと、おみくじを引いたら、末吉だった。
しかも。
M女史と、まったくおなじ。
一言一句違わず。
ちゃんと他のも入ってるのかぁ?…と、疑わしく思ったが、とりあえず、所定の場所に結んできた。
ここで、マンホールの写真をゲット。
ご当地のマンホールを、ケータイのカメラにおさめることが、出張族がびの些細な楽しみのひとつだ。
太宰府市だけあって、梅の花が全面に描かれた豪華な一品。
色がついていれば、もっとよかったのにな。
お次は、国立博物館へ。
天満宮と隣接してるので、らくちん移動。
江戸後期の鬼才(勝手に命名)伊藤若冲の特別展は、さすがに大盛況だった。
それでも、全部の絵の真ん前に陣取って見てきたもんね。←これだからおばさんは
ご自身が絵を描かれるM女史と、見るだけのがびとでは、やはり視点が違った。
繊細かつ大胆なテクニックに感銘を受けるM女史をよそに、「うちに飾るんだったら、コレかなあ……いやいや、さっきのアレかなあ」などと、うすらとぼけた観賞のしかたしかできないがびだった。
参謀から「図録を買ってきて見せれ」という厳命を受けていたのを思い出し、売店で財布を出すも、気づけば所持金は数百円ほどになっていた。
……買えません。
日記をご参照いただきたいのだが、今回の出張は「事後精算」である。
しかも、給料日の前日に出発だ。
給料日は21日。
でも、今月は、土日の都合で前倒し。
幸せいっぱい夢いっぱいだ。←謎
そんなわけで、財布のなかには、最初から8000円くらいしか入ってなかった。
でも、飛行機代も宿代もクレジットカードで払うし、空港では、貯まったマイルでなんでも買えるし、なんでも食えるので、あまり気にしていなかったのだ。
電車賃とタクシー代とメシ代と、1日目と2日目の宿で送った宅配便代で、財布の中身がすでに底をついていたことに、ここへきてようやく気がついたというわけである。
せっかく、出張の2日目には、給料が入っていたというのに、どうして引き出すの忘れるかな、がびよ。
心やさしいM女史におカネを借りて、無事、図録をゲット。
参謀よ。
今度、図録を見せに奇襲をかけるから、そのときには、M女史に感謝してけろ。
博物館を離れるにあたって、重要なことを忘れていた。
朝3時まで試行錯誤して作った「ふくおが」を、M女史に渡してないじゃん!
美麗な原画のお礼にもならん、しょぼいブツではあるが、実は、もうひとつの意味があった。
九州に来る前に、参謀からM女史へのプレゼントを預かっていたのだが、それが「丸小ビーズ製のおがたん(人間)」で。
すんごい小さいのに、火のついた煙草を持っていて、めちゃめちゃ凝ってるのよ、これが。
がぜん対抗心を燃やしちまったがびは、「おがたん配色の花碁石をプレゼントするんだもんね」と、豪語していたのだ…………が。
時間切れで、出発前には作れず。
ビーズ箱一式を抱えて九州へ飛び、1日目の宿で作ろうと思ったが、うっかり寝てしまって断念。
最後のチャンスとばかりに、2日目の宿で作った、渾身の作なのだ。
博物館前の喫煙所で、「これね! これね!」と、謎の言語をわめきながら、なんとか渡すことができた。
喫煙所=おがたんという展開が、あまりにも安易だが、がびにとって、彼はヤニ仲間だし。
それにしても、いやあ、よく思い出したよ、ワシ。←忘れていたことのほうが問題です
そして、M女史オススメの店で、梅が枝餅(注:あんこ入り)を食べて……。
そう。
あんこ食ったのよ、ワタクシ!
外側の皮がパリっと香ばしくて、なかの餡もアツアツで、お茶で流し込まなくても食べられた。
とーちゃんへのおみやげに2個購入。
名残惜しいが、そろそろ時間だということで、駐車場へ戻る帰り道。
銀行があったので、おカネをおろそうと立ち寄ったが、土曜なので、他行の口座からは引き出せない。
給振口座には、それなりにおカネが入ってるのにぃ!
やむを得ず、キャッシングというものの世話になった。
借金ですよ、しくしく。
道が混んでいて、福岡空港に到着したのは18時20分。
飛行機の出発時刻は19時だ。
あら、タイヘン。
お礼もお別れの挨拶もろくにできないまま、M女史と別れて館内へ。
とりあえずチェックインして、「待ち合わせの時間」というヤツを決める。
搭乗口まで連れて行ってもらう途中、手荷物検査やらなにやらで、いろいろ忙しいので、チェックインカウンターに戻ってくる時間は、絶対に守らなければならない。
これに遅れると、個人名で呼び出しされるのだ。
逆に、ここで間に合えば、絶対に乗り遅れないし、全館放送の憂き目にも合わずに済むので、大助かりだけど。
「40分までには戻ってきてくださいね」
グランドスッチー(とは言わないか)に念を押され、おみやげやさんを目指す。
ここで確認。
飛行機に乗る前に、がびがやらねばならないこと。
1.おみやげを買う
2.煙草を吸いだめする
3.飛行機のなかで食うメシを買う
4.トイレに行く
もちろん、優先順位は番号どおりだ。
チェックインでそれなりに時間を使ってしまったため、もうあまり時間がない。
しかたなく、1と2だけ実行。
買ったおみやげと、3.2号機を預けて、あとは搭乗口に向かうだけ……じゃないのさ。
3と4も、じゃるの姉さんに搭乗口まで連れていってもらう途中でミッションクリア。←結局コンプリートしたわけだ
おまけに、乗ったことのない飛行機だったので(じゃすから譲り受けた機材なんだって)、乗る前に、窓越しにケータイのカメラにおさめておいた。
しかも、ぎりぎりまでバタバタしたけど、ビリじゃなかったもんね。
えっへん。←ビリから2番目だったけどな
……定刻出発じゃなかったのは、ビリの人のせいだよ、たぶん。
がびは、非常に飛行機が嫌い(酔うからさ)だが、まあ、それなりによく使う。
たいてい1時間前にチェックインするので、めったにトラブルはない(過去に、大雪で成田えくすぷれすが遅れたことがあって冷汗をかいたが、飛行機も遅れたので問題なかった)のだが。
この日、がびの決して少なくはない飛行機利用履歴において、極道搭乗ナンバーワンが更新されたのは、まぎれもない事実である。
さて。
楽しかった九州出張(注:あくまでも出張です)から、日曜をはさんで中2日(正味1.5日)で登板した次の目的地は富山県。
この出張の旅費は、土曜日の14時までに職場の窓口に来れば、先に渡すぞと言われていたが、あいにく、その時間、がびは太宰府にいた。
そんなわけで、またしても事後精算。
でも、ちゃんと給料をおろしてあるので大丈夫♪
嗚呼、それなのに、それなのに。
北陸は、がび的ヲタク交流のエアポケット。
遊んでくれるひとがいなーい。
せっかく行っても、娯楽がなーい。
ヲタクの世界に足を踏み入れる前の出張に逆戻りって感じだ。←それが通常の出張です
しかも、出張先は、富山空港と富山市街の中間地点あたりで、近くに観光名所はなーい。
宿の近所には、常連さんしか入れなさそうなスナックしかなーい。
置き薬を買ってもしょうがないし、チューリップの時期には早すぎるし。
とりあえず、富山に行ったら、なにがなんでも必ずカニを食えと己に課していた(注:何度も言いますが出張です)が、宿に着いたらバタンキューで。
夜中に目が覚めたが、タクシーで出かけようにも、もうどの店も開いてない。
飛行機に乗ると、どうしてこんなに寝汚くなるんだろう。
喉は渇くし、鼻の奥まで乾燥するし。
なにより睡魔さんが猛威を振るいまくり。
ここで、ふと思いついたことがある。
……もしかして、酔いどめ薬の副作用では?
えせマッドサイエンティスト(夫命名)を生業とするがびとしては、確認しないわけにはいかないでしょう。
A.酔いどめを飲んでから飛行機に乗る
B.酔いどめを飲まずに飛行機に乗る
本来ならば、AとBを各2回以上、しかも同一条件で試さないと、比較はできないものだが、パイロットスタディということで勘弁いただきたい。
飛行距離も目的地も航空会社も違う(じゃるは富山に行かない)ので、学者の端くれとしては少々恥ずかしいが、まあいいや。
ぱんぱかぱーん♪
結果も考察も省略。
結論。
酔いどめを飲まなければ、「ちょっと喉が渇くなあ」くらいで済む。
しかも、酔わなかったし。
今までの無駄な用心はなんだったんだよー。
まあ、済んだことは仕方がない。
次からは、酔ってから飲むことにしよう。
……と、いうわけで。
ここんとこの出張についてのレポ(だったのか?)は、これにて終了。
あ、そうだ。
飛行機が動き出してから飛ぶまでの時間や、着陸するまでの旋回について、ひとつ気づいたことがある。
成田や羽田は、順番待ちで時間が余計にかかるが、他の空港は、そうでもないらしい。
飛ぶ前に、行列を作って待つこともなく、ぐるーっと滑走路まで動いていって、一時停止もせずにいきなり飛び立つ。
降りる時も、ぶーんと高度を下げて、そのまま着陸。
いやあ、早いねえ。
まあ、そのぶん、出発地か到着地で待たされてるんだけどね。
それからそれから。
メシのいまひとつさ(国際線の場合)と値段の高さにも関わらず、じゃるを使う理由も挙げておこう。
単に、とーちゃんが「じゃるにしろ」って言ったからである。
以前、理由を訊いたら、夫曰く。
「じゃるは堕ち慣れてるから、事故があったときの処理も早そうだし、保険金の払いもスピーディーな気がするから」だそうだ。
聞くんじゃなかったなあ。
いろいろタイヘンみたいだが、がんばってくれたまえ、鶴のマークを背負った鉄の翼よ。
もっとも、最近じゃあ「ケツの赤いヒコーキ」と呼ばれてるみたいだけどさ。
お戻りの際は窓を閉じてください