014. 砂漠の花
こないだ、あかりと映画に行ったんだ。
試写会っての?
よくわかんないけど、劇場で公開される前に、一部の人にだけ見せてくれるヤツ。
タダだっつーから行ったんだけど、それが恋愛映画でさあ。
まいっちゃったよ。
オレ、恋愛とかそーゆーの、マジ興味ないし。
まあ、あかちゃんのことでテンパっちゃった塔矢が告ってきた時は、さすがにビビったけどさ。
オレも愛とか考えなくちゃいけないのかなーなんて思ったりしたけど、結局、今まで通りってことで解決したし。
……当分いいや。
そうだ。
その映画のことなんだけど。
タイトルは「砂漠の花」…だったかな。砂漠は出てきたけど、花なんか出てこなかったぜ?
わけわかんねーよ。
そんで内容は、とゆーと。
……その、なんだ。いちおー寝ないでちゃんと見てたよ。見てたんだけどさー、こーゆーの説明すんのって、やっぱアレじゃん?←管理人注:どれだよ(怒)
塔矢とかだったら得意そうだけどさー…。
だああああぁぁぁ、もうっ!
正直に言うよ。
オレの国語の成績じゃあ、うまく説明できそうにねーんだよぉ///
……あ、そーだ。
おい、管理人。
おまえも、試写会行ったんだろ? タダとかそーゆーのに、めちゃめちゃ弱いもんな。
だからさ、おまえが説明しろよ。
最近、サイト作って、しょぼくせー文章書いてんだろ?
その成果を見せてみろよ。
じゃ、頼んだからな。きしし。
えー、こほん。
管理人です。
まさか、こんなところに自分がひっぱり出されるとは思ってもみなかったので、少々緊張しております。
ヒカルが脱兎のごとく逃げ去ってしまいましたため、僭越ながら、ワタクシから「砂漠の花」のあらすじを紹介させていただきます。
よろしくおつきあいくださいませ。
舞台は20世紀初頭のアラビア半島。
考古学者のアメリカ人青年は、大学時代の恩師に誘われ、アラビア行きの調査団に参加した。
古代文明の発掘調査で、期間は6ヶ月。
オアシスを中心とした小さな町の近くに本拠地を構えて、青年は毎日、発掘作業と研究に勤しんだ。
そんなある日、オアシスとオアシスを結んで行商の旅を続けているキャラバンが、青年の滞在する町へやってきた。
キャラバンには、絹布を商う娘がいた。
青年の不注意が原因で娘とぶつかってしまい、売り物の絹布を地面にばら撒いてしまった…などという、運命の出会いについてのベタな描写は割愛しておく。←ヒカル注:そんなこと言って、しっかり書いてるじゃん!
以来、キャラバンが町を訪れるのを、青年は楽しみに待つようになる。
娘のほうも、青年のことを憎からず思っており、やがて、微笑ましい恋人たちの語らいへと進展する。
だが、調査団の滞在期間は残り少なくなっていく。
明日は帰国という時に、タイミングよくキャラバンがやってくるのは、お約束の展開だろう。
青年は、一緒にアメリカに来ないかと誘う。
だが、娘は生まれ故郷の砂漠を離れたくないと、青年との別れを選ぶ。
そして、なぜか、砂漠のど真ん中の天幕へ場所を移しての情事へと進む。
文化的背景から、娘は常に顔をスカーフで隠しており、この時、青年は初めて娘の顔を見る。
娘の美しさに青年の想いはさらに深まり、情事はエスカレートする。
美人は得だと、しみじみ羨ましく思うが、これは余談。
短い逢瀬が過ぎ、青年は娘から去っていく。
青年は船上で、娘はキャラバンの駱駝に揺られて、互いを想って涙を流したのだった。
……とまあ、このようなありふれた内容の映画を興業するのには理由があった。
映像が美しいのだ。
砂漠の夕景。
満天の星。
陽光にきらめくオアシス。
そして、ほのかな灯りのなかでの情事シーン。
女優の表情も肌の質感も。
ゆらめくランプの炎も。
夜風に揺らめく布張りの天幕も。
動きにあわせて波打つシーツも。
ストーリーはともかく、確かに綺麗な映画だという印象を受けた。
あ。
ヒカルのやつ…。
逃げていったと思ったら、隠れてこっちを見てました。
再びバトンタッチしましょう。
あーあ、見つかっちまった。
それにしても、管理人のヤツ、あいかわらずヘボい文章だな。
しかも、パソコンに慣れてないのが、手つきでバレバレ。きしし。
だいたい、アノ重要なシーンをすっとばすなんて、どーかしてるぜ。
主役のふたりが別れる前の日の夜、砂漠のど真ん中のテントみたいなとこに行くんだけど。
そのテントの前で、おんなの方が踊るんだ。
手とか足とかをくねくねさせる、アラビアチックな踊り。
もう、すっげー綺麗でさ。
なんでか知らないけど、ずっとスカーフをかぶってて、顔が見えなかったんだけど。
踊ってる最中に、スカーフがひらひらめくれて、口のあたりが見えるんだ。
日焼けしたみたいな肌の色…、たぶん、そのあたりの地方の特徴なんだろうな。
そこに、濃い赤の口紅が似合ってて。
そのあと、テントの中でチューしたり抱き合ったりして。
あの赤い唇が効果的だったよなー。
オレ、ちょっとマネして、色つきリップってヤツ、買っちまったくらい感動したんだから。
……な?
ここんとこ飛ばしてもらっちゃあ困るわけよ。
わかったか、ぼけ管理人。←管理人注:ごめん、ごめん
ま、オレのかわりに説明してくれたから、そこんとこは感謝してやってもいーけど。
そんで、この映画の話で、オレが何を言いたかったかっつーとだな。
わかっちまったんだよ。
あかちゃんのほんとの作り方。
先月、イベントに行ったとき、子宝の湯に塔矢と一緒に落っこちたのに、オレ、あかちゃんできなかったじゃん?
もしかしたら、一緒に風呂に入っても、あかちゃんってできないんじゃないかなーって疑い始めてたんだ。
そしたら、あの映画が答えを教えてくれたぜ。
これで、オレも大人の仲間入りだな。
あかりが誘ってくれたおかげだ。サンキュー♪
これ読んでるおねーさんたちは知ってた? あかちゃんの作り方。
えっ? 知らないの?
ダメだなー。オレが教えてやるよ。
あのね。
男と女が服を脱いで布団に入ってね、抱き合って貧乏ゆすりするんだよ。
なんでじっとしてちゃいけないのかな。
ま、こまかいことは置いとこ。
塔矢のヤツ、まだ「一緒に風呂に入ったらあかちゃんができる」と思い込んでんのかな。
あいつ、エラソーなこと言ってても、まだまだガキだなー。
緒方さんにジェンダーって言葉を教わった時は、すぐに塔矢にも教えてやっちまったけど、今回は黙っとこうっと。
だって、オレのほうが物知りだなんて、こんなことって、めったにないじゃん♪
……それって、ちょっと悔しいけどさ。
<コメント>
プロローグ以来、久々のヒカルの独白なのに、管理人が作中に登場してしまいました(滝汗)。
ヒカルが、ちゃんと映画の内容を説明してくれるか心配で…。
このあと、番外編の「緒方さんの個人授業」をはさんでから、015.「振り子」へと続きます。
その前に、里帰りリクエスト作品を書く予定です。
100題(「温泉連載」の愛称、ありがとうございます)の更新は、しばらくお休みいたします。
